忘れられた恋の物語

その表情が面白くてつい笑ってしまう。

デートだと当てて満足したようで女の子は前を向いてしまった。それを見て斗亜と顔を見合わせて笑った。

そうして汽車から降りると、斗亜が遊園地を見渡して聞いた。


「この後どうしようか?」

「どれでもいいから乗れるものに全部乗りたいな!今日は思いっきり楽しむの!」

「よし、そうしよう!」


楽しそうに頷いてくれた斗亜は私の手を引いて、一緒に色々な乗り物に乗ってくれた。合間に休憩を挟むのも忘れなかったけれど。

病気のせいで来られなかった遊園地。ずっと憧れてはいたけれど、この場所がこんなに楽しいものだと思わなかった。

彼のおかげだ。小さな頃から病気と家にばかりいた私の世界を短い時間でこんなにも広げてくれた。

柵の向こう側になんて行かなくても自由になれたような感覚だった。