いつもの通り願う。

ふと、いつもにはない違和感を感じた。

見ると、拓馬がほんの少し、透けている。

拓馬に手を伸ばす。

まだ触れられるものの、感覚は薄い。

時間とともにさらに拓馬は薄らいでいく。

「拓馬…」

自分が願っているのに、一人で残されると考えると、拓馬が惜しかった。

もう、拓馬のベッドの色が透けて見えている。

「拓馬、愛してるよ」

そっと重ねた唇の温度は余韻を残して消えた。

拓馬が完全に消えたのを確認して、私の意識も途切れた。