出口へ向かう道で、珍しく拓馬は私より後ろを歩いていた。

急に後ろの足音が止まる。

「どうしたの」

私が振り向いたとき、拓馬はうつむいていた。

そしておもむろに顔を上げた。

私と合った目は覚悟をを帯びている。

「日向、俺は日向が好きだ。付き合ってください」

私は急速に頬が染まるのを感じた。

思わず拓馬を見つめる。

「日向?」

「っあ、えっと」

「日向は、俺のこと、好き?」

拓馬が私を不安げな瞳で見ている。