「先輩。必要回数の成長をみたはずなのに、俺の育てた『ヒヨコ嬢』が大きくならないんですが」

 育て終われば見た目も少しは成長するはずなのに、俺のは全く。

 俺はトバ先輩に、無料だけで出来る限り育て終わった自分の『ヒヨコ嬢』を見てもらった。
 すると……

「これは『ツンデレ幼女タイプ』、だな」

 先輩はなんでもないというふうにサラリとそう返した。

 ツンデレ。
 だから話しを聞いてあげてもあまり喜ばない感じだし、素直に甘えてくれなかったのか。
 幼女。
 幼い女の子。だから大きくならなかったのか。

 ……“ニワトリ”にしたのに、そんなのってアリなのか?
 無料でやったからなのか?
 『育成ゲーム』って、そういうものなのか??

 俺は呆然。

『ご主人様なんて、ちっともカッコよくないんだから!コケコケッ♪』

 開かれた俺の携帯からは、そっぽを向き顔を赤くした赤髪の女のコ『ニワトリ嬢』がそう呟いた。


 おわり。