『いやまだ付き合いたてだし
そこまで知るわけないよ』



あとアンタらのことなんて

紹介するわけないでしょーよ。

誰が彼氏に対して

はい!これ!

私の幼馴染1号2号です!

という馬鹿がどこにいると思う

逆ならば不安対象でしかない存在だ

しかもコイツら外面も顔面も良い

それは認める

だから私は高校生から

ずーっと隠してきた事だ

…気付いたら何故かバレていけど



大学は何とか別々になれたから

やっと気にせず恋愛できる!と思ったのに

…やっぱり言うんじゃなかったか

私のドアホ…と自己嫌悪に浸っていれば

スマホの着信音が部屋に鳴り響く

画面を見れば♡好きぴ♡の文字

それを見て私は目を見開く

おい誰だ!こんな気持ち悪い登録したの!

それよりも早く電話出なきゃと

幼馴染に黙ってろよ…?と圧をかけ



『あ、もしもし?どうしたの?』



トーン少し高めで出れば

目の前でうわぁー…という顔をする馬鹿2人

電話の向こうで彼氏が何か話しているが

目の前の2人がジリジリと近付いてくるので

足蹴にシッシッとする



「(?ごめん、なんか取り込み中だった?)」

『あ、ううん!なんでもないの!ちょっと、虫が』

「(そう?ならいいんだけど…)」

『うん!で、明日だっけ?』

「(そうそう!デートしないかなって)」

『する!じゃあ授業終わったら連絡するね!』



二言ほど喋り通話は終了する

ハァ…どっと疲れた…



『邪魔しないでよ!』

「別に邪魔してねーだろー?」

「そうだよ、ちゃーんと黙ってたし」

「それよりも俺らのこと虫扱いしたな」

『当たり前でしょ。通話に支障出たんだからハエと同じよ』



フンっ と

そっぽを向き登録名を変更する

きっと友達にいじられたのだろう

彼氏の本名に登録し直す所を

まさかあの悪魔2人に見られていたなんて

私は全く気づかなかった