『夏だしね。』

そう言って君は
私をドライブに誘った
いつもと違う風景
波の音を聞きながら
海岸沿いを走った

『少し歩いてみようか。』

子供のようにはしゃぎながら
岩場を歩く君 
ついていくのが精一杯な私に
手を差しのべてくれた 

『いい景色だね。』

そう言って君は座り
海を眺めていた
眠くなるような静けさに
波音だけが聞こえる

時間がとまればいいのに
君さえいればいいのに
隣に座りながら
そっと手を繋いだ

びっくりした君の顔
私の気持ちに
気付いてなかった訳ないよね
君を見つめる私に

『わかっていてもらえてると思ってた』

そう言いながら
軽く手を握り返してきた 
これからはずっと
君の隣にいてもいいんだね

やっとできた
世界で一番大切な
たったひとつの私の居場所