ピンクトルマリン

「うそだよ。ほら、もう帰れ」

気づけば時計は夜の8時をさしていた。
すごく時間たつの早かった。

てか谷川先生いない…
何も音のない体育館に2人っきり。

「すいませんでした。なんか…すごく時間とっちゃって」

こんな時間に帰ったら、晩御飯遅くなるよね。あたしは申し訳ない気持ちになった。

「いいよ。気にしなくて。…あ。もう遅いし、俺送ってくわ」

何かを思い出したように上を見ながら

先生は呟いた。

「あ、あの、いいです。あたし、一人で帰れます」

ブンブンと頭を振って走って逃げようとした。

だけど

次の瞬間




あたしは腕を掴まれていた。