「――と、いうわけで。2週間桜花組の見習いとしてお世話になります、染井那桜と申します」

「はぁーーーー!?!?」
「なんでテメェがいるんだぁ!!」
「お嬢!!どーゆーことッスかぁ!?」

「ごめん、みんな……なんかそーゆーことになっちゃって……」

「お嬢ーー!!!!」


 今日から夏休み。
 初日早々から桜花組には大波乱が起きていた。

 なんと、那桜が見習いとして2週間泊まり込みで修行することに。案の定組員たちは大荒れ。
 私も今から胃が痛い。そもそもなんでこんなことになったのかというと……、


* * *


 夏休み前の中間試験、もちろん今回こそは1位を狙っていた私だけど。


「……っ!!また2位……!!」


 やっぱり2位から脱せずにいた……。


「あらら?また1位取っちゃいました」
「くやしーー!!」


 付き合ってもやっぱりライバルはライバル!
 むしろ今こそ1位に輝く時だと思ったのに……!!
 やっぱり勝てないなんて……っ!!


「お嬢、悔しがってるところアレなんですが、またお嬢に勝った、というよりお嬢に勝ち続けてるご褒美欲しいんですけど」
「言い方が腹立つな」
「ご褒美というか、結構真面目なお願いなんですけど」
「お願い??」
「俺を桜花組で修行させてもらえませんか?」


――はい??