な、なんか那桜どうしちゃったの!?
 そんな甘いこと言うやつだった!?

 そしてしっかりキュンとしちゃってる自分が憎い!!


「〜〜っっ、いや無理!!」

「えーー」

「えーーじゃないよっ!とにかく学校でも絶対秘密だからね!!」

「えーー?」

「オイ聞いてないフリすんな!!」


 聞こえてるのはわかってんだよ!!


「……ま、お嬢ならそう言うと思ったけど」


 そう言って那桜は私の手を取り、指を絡ませて手を繋ぐ。めっちゃカップル繋ぎされた!


「ちょっと……!」

「学校の近くまで」

「っっ」

「だったらいいでしょ?」


 うぐぐ……っ!

 なんでそんなちょっと小首傾げて上目遣いしてくるのよ……!!
 なんでちょっとおねだりモードなのよ!!

 かわいすぎてキュンキュンするじゃん!!

 しかもめっっっっちゃ嬉しい。
 だって私も本音は一緒にいたいんだもん。手繋ぎ登校とか憧れだったし……!!


「誰かに見られなきゃいいよっ」


 悔しいな、私ばっかりドキドキしてる。


「……あーー、やばい」

「え?」

「不意打ちでデレるのやめてもらえます?」

「はい??」


 なんだかよくわからなかったけど、ちょっとだけ赤くなった那桜が見れたのは得した気分だった。