幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。



「てか何?ほんとにそれだけなの?」

『番犬くんに邪魔されましたからね』

「あっそのことだけど、悠生帰ってきたから悠生の前で変なことしないでよ!?」


 当たり前っちゃ当たり前だけど、悠生と那桜も敵対関係になるので仲悪い。
 特に悠生は那桜がちょっかいかけてくると、すぐ手が出そうになるから止めるのが大変。あの二人が本気でやり合ったら多分家一個吹き飛ぶ。

 染井の若頭だからだと思うけど、悠生昔から那桜には妙に敵意むき出しだからなぁ……。


『……番犬くん、戻って来たんですか』

「そうなの!帰って来るなら先に言っといてよって感じなんだけど、家が賑やかになるのは嬉しいよね!もうみんな悠生が帰って来てからはしゃいじゃってさぁ!」

『ふーーん。番犬が帰って来て嬉しいんですか』

「そりゃ嬉しいよ」

『へーーーー』


 ……なんか那桜、めっちゃ機嫌悪い?


「お嬢?」


 後ろから声をかけられてビクッとする。
 噂をすればの悠生だ!!


「すんません、まだ八重様と電話中っすか?」

「あっもう終わる!!じゃあねっ!また明日学校で!」

『あっちょっ』


 那桜が何か言いかけた気がしたけど、急いで通話を切った。
 危ない、ちょっとでも聞かれてたらバレるところだった!!


「……電話の相手、本当に八重様っすか?」