こ、こいつ……っ!!
「いっぺん殴らせろ!!」
「ほんのアドバイスじゃないですか」
「何がアドバイスだ!!この変態エロ極道!!」
「お嬢!!俺たちも加勢します!!」
いよいよ収集つかなくなりそうになったけど、染井一家の迎えの車が来たことで強制終了となった。
「若、桜花組の野蛮人どもに構わず、戻りましょう」
「誰が野蛮人だゴルァ!!スカしやがって染井のクソが!!」
「やめなさい!!みっともないから!!」
車に乗ろうとする那桜とバチっと視線が合い、思わずドキッとした。
那桜はニヤリと微笑み、そのまま車に乗り込んで行ってしまった。
「染井一家のクソガキめ!生意気な野郎だ!!」
「お嬢、俺たちも帰りやしょう!……お嬢?」
「え?」
「どうしやした!?顔が真っ赤ですよ!」
言われて顔が熱っていることに気づく。
「なっなんでもない!!」
思わずみんなから顔を逸らしたけど、多分誤魔化せてはいないと思う。
ああもう、那桜にドキドキする日がくるなんて……。
正直色んなことが吹っ飛んでしまうくらい、今は那桜のことしか頭にない。
ずっと那桜の真剣な表情と言葉が、脳裏に焼き付いて離れなくなってる。
全部那桜のせいだよ……。