幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。



 大山さんの他にも染井一家の組員が多く来ており、伸びている誘拐犯たちを引っ張っていった。この後警察に引き渡すのだろう。

 それにしても、同じ極道なのに桜花組(うち)は如何にも、って感じのゴロツキばかりなのに対し、染井はみんなスーツ着てて極道というよりマフィアっぽいな。
 みんな頭良さそうに見えるし……。


「染井一家!!ここで会ったが百年目だぁ!!」
「嫁入り前のお嬢を傷物にした落とし前、どうつけるんだぁ!?」


 だから違うって言ってるのに!!


「違いますよ。俺たちは兼ねてより振り込め詐欺グループを追っていたんです。そこのお嬢はおまけです」


 お、おまけ!?


「八重姫に助けて欲しいと泣きつかれたら聞かないわけにはいかないでしょう」
「ぐぬぬ……」
「お返ししますよ」


 那桜は私のことをグイッと押し付ける。


「ちょっと……!」
「貸し一ですからね」
「っ!」


 那桜は私にしか聞こえない声で囁いた。耳元がゾクゾクしてくすぐったい。


「た、助けて欲しいなんて頼んでないからっ!」

「俺は八重姫の頼みを聞いただけです。それよりお嬢、さっきから言おうと思っていたのですが」

「な、何?」

「ピンクのチェック柄はちょっと……もう少し色気のあるブラした方がいいですよ」