あれから。
 帰宅した私は、改めて組員たちの前で話をした。

 那桜のことが好きなこと、これからも一緒にいたいこと。
 これからは染井一家と対立するのではなく、協力していきたいと思っていること。
 そして、今まで黙っていたことを謝罪した。

 深々と頭を下げた私に向かって、みんな慌てて口を揃えた。


「やめてくだせえお嬢!謝るのは俺らの方です!」
「そうですよ。悲しんでるお嬢になんて声かけていいかわからなくて、変な態度取っちまって……」


 今までみんながよそよそしかったのは、那桜と付き合ってたショックも少なからずあるけど、一番は落ち込む私を見ていられなかったかららしい。


「お嬢が俺たちのこと大事に思ってくれてる気持ちはわかります」
「あの男にお嬢を取られるのは納得いかねえが、お嬢が幸せなら何も言わねえ!」
「これからもお嬢について行きます!!」
「みんな……ありがとう……っ」


 みんなが、桜花組がやっぱり大好きだと思った。
 何より理解してもらえたことが嬉しかった。

 だってみんな私の大切な家族だから。
 ちゃんと家族にも認めてもらいたかったんだ。