幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。



 私はパパから離れ、那桜の隣に行き那桜の手を握りしめる。
 そして、パパの目を真っ直ぐ見つめた。


「私はこれからも那桜と一緒にいたい。那桜と一緒に、美桜さんの遺志を継いでいきたい。
簡単なことじゃないのはわかってるけど、見守っていて欲しいの」

「俺からもお願いします。鏡花のことは絶対に守り抜きますから」


 那桜は真剣な眼差しで言い切って、深々と頭を下げた。一緒に私も頭を下げる。


「……もうわかった」


 パパはくるりと私たちに背を向けた。


「勝手にしろ。どうなっても知らんぞ」

「パパ……!!ありがとう!」


 私と那桜は顔を見合わせる。
 さりげなく那桜の腕をずっと掴んでいた悠生は、パッと腕を離した。


「……テメェのことは嫌いだが、お嬢のためだ。泣かせたらブッ飛ばす」

「わかってます」

「悠生もありがとう!」

「別に俺は何もしてないっすよ」


 私は本当に色んな人に支えられているのだと実感する。