「お嬢、どういうことっすか?そいつと付き合ってるんすか?」


 ど、どうしよう……?
 今のこの状況、誤魔化すなんて無理だ。
 なんて言えば……!


「そうですよ。付き合ってます」

「!?」


 えええええ!!何言ってくれちゃってんの、那桜ーー!!
 全然誤魔化さないじゃん!!


「テメェには聞いてねぇよ」


 あーー!!悠生の額に青筋が立ってるーー!!


「半端な気持ちでお嬢に手ぇ出したら殺してやる」

「やれるものならどうぞ?」

「テメェ……っ」

「やめて悠生!!」


 ブチギレて今にも殴りかかりそうな悠生の前に割って入る。


「ごめん、悠生!私……っ」

「……っ、クソッ」

「悠生!!」


 悠生は唇を噛み締めると、荒々しい大股歩きで出て行ってしまった。私は悠生の後を追いかけようとする。


「鏡花!今はほっといた方がいいんじゃないですか?」


 那桜は私の腕を掴んで止めたけど、振り払う。


「悠生は大切な家族だもん!ちゃんとわかってもらいたいよ!」


 私はキッチンを飛び出して悠生を追いかける。


「悠生!!」

「お嬢……」


 悠生は私の方を見ようとはしなかった。


「悠生、私ね、那桜のことが……」
「聞きたくねぇ!!」


 悠生は大声をあげて遮った。思わずビクッとしてしまった。


「ただいま〜」