もう恋はしないって思ってた。

「……白都くんちには今度お邪魔するつもりだけど、白都くんは優しいし、全然大丈夫だよ。心配してくれてありがとね」


 思わずそっけない言い方になっちゃった。

 せっかくわたしのことを心配して声をかけてくれたみたいなのに。


『わたしもヴァンパイアだから』って言えれば一番安心してもらえるのかもだけど、そんな勇気はやっぱりない。

 前に大好きだった南くんがいなくなっちゃったときのツラい気持ちが、どうしても忘れられないから。


「いや、優しいとかそういう問題じゃなくてさ……行ってほしくないっつーか。いや、俺がこんなこと言う資格ないってわかってるけどさ……あーもうっ、なんて言ったらいーんだよっ」


 ガシガシと頭をかく東条くん。


「でも……別に東条くんに迷惑をかけるわけでもないし」


 わたしも、白都くんと本の話ができるのは、普通に楽しみなんだよね。


「……そうだよな。ごめん、ヘンなこと言って引き止めて」


 東条くんがわたしの腕からすっと手を離すと、顔をうつむかせた。


「ううん。えと……じゃあね。部活、がんばってね」


「おう。ありがとな」