ずっと苦しんでいたんだ、結婚しても私が生まれても、このペンダントが気がかりで、、
お父さんは本当に照れ屋で不器用だった、自分の感情すらお母さんに上手く説明出来ないような人、
「お母さんと結婚する時には、お父さんは優衣さんのことはキッパリ忘れて、お母さんを愛してたんだよ、お父さんを信じてあげなよ」
「ありがとう、私はずっと心に引っ掛かっていたの、ひょっとしてお父さんは優衣さんが忘れられないんじゃないかって、あなたの名前も彼女が忘れられないのかなって、、」
私の名前のことも偶然じゃないと気づいてる、、
でも、でもお母さんは知らないだけだよ、
お父さん、もう言っていいよね、お父さんは二人だけの秘密って言ってたけど、これ以上お母さんを悲しませたくない、
「お母さん、私ね、お父さんに内緒で教えてもらったの、私の名前の由来」
「……聞くまでもないよ、あの人は女の子が生まれたらその名前にしたかったって言ってたけど、いくら鈍感な私でも分かる、優衣さんが忘れられなかっただけだと思う」
「違うって! よく聞いて、私がこのペンダントをもらった時にお父さんが話してくれたこと、小学校の時の初恋の女の子が、自分に女の子が生まれたらその名前をつけたいって言ってたのを覚えていたから」
「小学校の時の初恋の人? 3クラスしかなかったから私も皆んな知ってる子だよ」
「もう何言ってるの! お父さんの初恋の相手はお母さんだったんだよ、自分で言ったことも覚えてないの!」
「えっ、 わたし?」



