ラブ・ジェネレーション


次の日、車で翔琉を迎えに行って、そのまま環状線に乗りベイエリアへ、
埠頭に車を寄せて停めると、ちょうど仙台行きのカーフェリーが出航するところだった、

今日の翔琉は無口だ、私の顔色を伺かのようにチラチラと視線を送る、
「結衣、身体は大丈夫なのか?」

私はその問いには答えず、今日翔琉を呼び出した本題に入る。
「ありがとう翔琉、凄く幸せだったよ」

私の言葉に隠された真意に翔琉は敏感に反応した、
「もう治らないのか?」

「臓器移植の登録はしておいたから、後はドナー待ち、でも余り期待しないで、それまで私が生きているかも分からない、それに明日から入院生活なんだよ、もうそんなに会えないと思う」

「よくアメリカに渡ってって聞くじゃないか?」

高額な費用がかかる、クラウドファンディングで寄付を募る人もいる、

「私の家にそんなお金あるわけないでしょ、それにもっと命の危険に晒されている人がいるんだから、私だけわがままを言えないよ」

「お金は俺が何とかする、だから考えてくれないか」

私は首を大きく振って否定した。

「もういいよ、翔琉のおかげで本当に幸せだったんだから、、」

その後の言葉を翔琉も分かっているのだろうか、
私の言葉を止めるように畳み掛けた、

「毎日仕事帰りに寄るよ、欲しいものは俺が買っていくから、今度の休みに願掛けに行ってくる、毎朝神様にもお祈りする、結衣が元気になれるように、だから、だから、、諦めず一緒に、」


「別れよ……」

「………」