ラブ・ジェネレーション


言葉を遮るように翔琉は私を強く抱きしめた、

「そうなっても、俺は結衣を離さない」

……駄目だよ、もしそうなったら、もう翔琉との未来は描けない、結婚してもまともな夫婦生活が送れるはずがない、夫に甘えるだけの妻なんて嫌だ、夢を捨ててまで私を選んでくれた翔琉だけど、きっとまたチャンスは訪れるはずだ。

「気楽に旅行にも行けないし、遊ぶこともできないよ、エッチもできないかもしれない、そんな奥さん嫌でしょ」

「………」


それから半年も経たないうちに私の病状は急激に悪くなった、

主治医の先生は幼少の頃からの付き合いで、話しづらい事でも遠慮なく口にしてくれる。

「腎移植も考えておいて下さい」

「それほど悪いんですか……」お母さんは椅子に座る私の後ろに立って、ハンカチで目を押さえながら先生の話を聞いていた。

「体にもむくみが出ていますし、まだ若いですから透析では普通の生活が送れないでしょう、それに急激に悪くなる危険もありますから」


「先生! 私では駄目ですか、私の腎臓を娘にやれないですか?」

お母さん……

涙が出るほどに嬉しかった、
母親が子供を思う気持ちは常識でははかれやしない、お母さんなら自分の命すらも私に譲りそうだ。


「お願いです、私にできることなら何でもしますから娘を助けて下さい」

先生は両手を宥めるように動かしてお母さんを落ち着かせる仕草をすると、

「勿論できますよ、生体腎移植と言います、日本ではドナーが少なくて臓器移植は待ち時間が長くまだまだハードルが高いですけど、生体腎移植は六親等以内の血族なら直ぐに可能ですので、兄弟や祖父母などでも大丈夫ですよ」

優しく丁寧に説明してくれた、