ラブ・ジェネレーション


幸せの絶頂だった、私の人生で初めて訪れた幸福期、

得てして幸せの次は不幸な出来事が起こるものだ、
秋口に毎年恒例、社内で健康診断が行われた、

まだ二十代の私に病気なんて無縁だと思っていた、
ところが、




「どうした、元気ないぞ」

あいも変わらず私をよく見てるねー、平静を装っていたつもりなんだよ、
「会社の健康診断で引っかかっちゃった」

翔琉も信じられない顔で私を見ていた、
「どこが悪いの」

「腎機能障害ってやつ、最近トイレも近くて倦怠感もあったんだ」

年寄りみたいに夜中にトイレに立つ回数が増えていた、身体の怠さも最初は馴れない仕事のせいだと思っていたけど、休みの日の方が却って気怠さを感じてやる気も出ない。

「治らないのか? それとも手術とか必要なのか?」
私には生まれながら持病があった、

「翔琉には話してなかったね、生まれつき私の腎臓の一つは殆ど機能していないんだよ」

食事には気をつけていたけど、それでも二つある腎臓の一つでも正常であれば日常生活には殆ど影響はない、どうも残されたもう一つも調子が悪いみたいだった。

「透析しないといけないほどなの?」

良く知ってるじゃない、「もっと悪くなるとね、大変みたいだよ、週に二回も三回も病院に通って何時間も機械に繋がれて、もしそうなったら……」