ラブ・ジェネレーション


嬉しくて嬉しくて、更に涙が溢れ出る、

「結衣、見て!」
翔琉は今にも山の陰に消え入りそうな夕陽を手のひらで掴まえる仕草をすると、さらに小さく纏めて、

「左手を出して!」

私の手を取って薬指に嵌めた、
「ほら、顔を上げてよく見てよ」
私の手を持ってかざした薬指越しの夕陽は、宝石のように輝いていた。

「ば、ばーか、ドラマの見過ぎだよ……」

泣き笑いの顔で見上げた彼の横顔も赤く染まっていた、



「結衣、今度の休みに指輪を買いに行こう」

「う、、うん」
涙で声にならない返事を返した。





夢を諦め私を選んでくれた翔琉、約束通り次の週の休みに指輪を買ってくれた、
ティファニーのインフィニティリング、自分の指に輝くリングに自然と顔が綻ぶ、

「ありがとう翔琉、すっごく嬉しい」
「結衣のそんな嬉しそうな顔はなかなか見れない」

だって、、こんな贅沢とは無縁だったんだから、指輪なんて初めて、イヤリングもないし、お父さんに貰ったペンダントだけだ。

「わたし、、アクセサリーなんてしたことなかったから、、」
「そっかごめん忘れてた、じゃあピアスも買ってあげよっか?」

「いいよー、これ高かったし、また今度記念日に買って」
「わかった、欲しいの探しておいて、その前に穴を開けなきゃね」
「そっか、ピアスだもんね、痛そうー」