甲高いブレーキ音と共に通り過ぎる車、

驚いて立ち止まった私を、追いついた伯母さんが後ろから強く抱きしめた。

少し先で急停車した車、男の子の姿は何処にも見当たらない、

「おばちゃん、、男の子は？」

母親の悲鳴が私を夢から解放する。


びっしょりかいた汗、呼吸が荒くて肩で息をしていた、
まただ、忘れてしまいたい記憶が夢に現れてしまった、

あの後、男の子はどうなったのだろう、
私のせいで、あの子は……
あの時、伯母さんは私を抱きしめて何も見せてはくれなかった、

ザワザワとした人の話し声、泣き叫ぶ母親、大丈夫だからと言い聞かせる伯母さん。

やがて遠くから聞こえてきた救急車のサイレン、


「おばちゃん、男の子はどうなったの？」
「大丈夫、怪我はしたけど命に別状はないからね」
伯母さんは私にそれだけ教えてくれた。