お姉さんとは十才ぐらい離れていただろうか、遊びにきた時に何回か挨拶を交わしたことがある、
背が高くてスラッとしたモデル体型だ、私とは比べようもない。
「ご両親は?」
「……高校を卒業した年に親父が転勤になって、、母さんも親父について行ったんだ、俺と姉貴は地元に残りたかったからさ、あっもうすぐ、次の角の家だよ」
最近は単身赴任の方が多いのに、お母さんも一緒に着いて行くなんて夫婦仲が良いんだね、
何度も来たはずなのに、暗いせいか車だからか、私の目には見覚えのない街の景色に見えていた。
「結衣、上がって行きなよ。久しぶりだから、もう少し話もしたいし」
昼間ならいざ知らず、真夜中ですけど、、それに、
「お姉さんは?」
「週末だから飲み歩いて朝帰りじゃないか、俺と二人きりじゃ嫌か?」
「そんな事はないけど、翔琉が手を出さないならいいよ」
「……それは、自信がない」
「そんじゃ、やめとく」
「嘘だって、約束するからいいだろう」
「はははっ」その時はその時だよ、
どっちでも構わない、翔琉に抵抗する自分も想像できない、いつもそうだったし、その気持ちは今でも変わってない気がする。
再会してそれほど時間も経っていないのに、離れていた時を感じさせないほど二人の距離は近く感じていた。



