桜恋 〜余命半年の私が生きた証〜



「足••••」



そこまで言って、すぐに口に出してはいけない事を言ってしまい、口を紡ぐ。



今、目の前にいる彼の両足はなく車いすにのっていたからだ••••。



見ている目線に気が付いたのか、彼自身も自分の足を見る。




「びっくりさせたかな••••」



「ちが••••」



違います。と言いたかったけれども自分で触れてしまった為途中で言葉を止め口を閉じてしまう。



1番触れてはいけない所を私は触れてしまったようだ••••。



何と声をかければいいのか分からず、沈黙が続く。



「全然気にしてないから大丈夫だよ」




私の気持ちを感じたのか彼はそう言いながら、歯を出して思いっきり笑いかけた。




「君、その制服••••正慶(ショウケイ)高校の生徒かな?」



着ている制服を見て問いかけられる。



「はい、そうですけど•••何で••••」



知っているのか、この近くには多くの高校があるのに••••。



不思議に思っていると•••