そう、私は転生してしまっていたのである。どうやら、昨日階段で落ち、頭を打ったことによって前世の記憶を思い出したようだ。

 しかも、この世界は、前世で仲の良かった友達から熱烈にすすめられたたゲーム、"みんなの願いと紅茶姫"の世界観と一致していた。つまり…

「私、ヒロインじゃん…」

 なぜ、へこたれなければいけないのか。それは…

「レティー!!急ぎなさい!!」
 
 やばい、急がなきゃ。
 
「今行く!!」

 部屋を出るときにちらりと鏡を確認し、やっぱり、レティーシアに転生してる…と落ち込みながら、家族のいる食卓に向かった。