確かに彼には好感を抱いてはいたが、恋愛という意味ではなかったはず。
 
 しかし、彼を見るとなぜかどうしても懐かしさを覚えてしまい、もっと一緒にいたいと思ってしまう。

「…お二人は、仲が良いのですね…とてもお似合いです。」
 
 もし彼らが恋人同士なら、引き下がらなければ。少し心を痛めながらもそういったが、思っていた反応と違っていた。

「えっ違うよ、誤解なんだ、み…レティシアとはそんな関係じゃないんだ!」
 
「そ、そうなのですか?」

「だって、レティは本当に妹みたいな存在で…!」

「はぁ…?」

「本当に違うんだよ~」

 なぜか始まる言い訳タイム。その様はまるで浮気現場を目撃された人のよう。

 なぜ?と思っていると、突然。
 
【もう限界!まーにいのバカ!ヘタレ!言いたいのをまーにいのためにずぅっと我慢してたのに、まったく正体を明かさないなんて!】

 レティ、いや美奈がブチ切れていた。
 
【み、みな!?急にどうしたの、日本語でブチ切れて…】

【だって、本当にむかついたんだもん!】

【だからって、相手は第二王子よ!?もし日本語がわかる転生者だったら…!】

【…いや、いいんだ。非はこっちにある。】

【!?日本語が!?】

【いままでっだまっていてごめんな、空。】

 聞き覚えのある口調に、ここはまだ夢なのではないかと思う。

 しかし、それでもわずかな期待から、ありえないことを聞いてしまう。

【まさ…と?】