月と狼

【最後の足掻き】
皐月のおかげで単独で任務に当たる回数が増えた。
本来の力や技術を取り戻すことにはやや時間がかかったが、だいぶ感覚が戻ってきたと思う。
私は皐月の助手として、組織に呼ばれることになった。
遂に復讐できる日が訪れるー。
そして、
「今日はお招き感謝します。皐月の助手をしています。築山愛理です。」
「愛理、君は隠している事があるんじゃないか?」
「いえ、何も隠すことなんてないですよ。」
「君のデータを見させてもらった。久しぶりだね、月」
「やはりバレてしまいましたか。でも、好都合です。貴方達には消えてもらいますから!
私の受けてきた傷は消えない。だからー。」
月は銃を構えるー。
「月、もうやめよう。
出会えたあの時から、すぐ気づいてやれなくてごめんな。
名前も性格も全部あの日、変えてしまったんだな。
俺、生意気な言い方ばかりしたな。」
「私こそごめん。でもまた出会えてよかった。皐月がいてくれてよかった。」
「ああ、俺もだ。君と再会出来て、凄く嬉しい。
じいさん俺ら、この組織抜けるわ。今まで育ててくれてありがとうな。」
皐月の笑顔はとても眩しかったー。