月と狼

【月(つき)の記憶】
「任務遂行おつかれ愛理。
俺、お前にきちんと話さないといけない事があるんだー。」
「ありがとう、わかった。」

皐月は意を決して、過去の話を始めた。
「出会った頃に、お前に似た知り合いがいる話したよな。
そいつの名前は藍沢月(あいざわ るな)って言うんだ。お前よりか少し年が高いが、お前と違って礼儀正しい。」
「何それ馬鹿にしてんの?月さんなんて聞いたことないし。」
「してねーよ。ただ養子って言ってたし、戦い方も似てる部分があったから知ってるかと思って。
月は4年前、誘拐された。まだ、未成年だったんだ。誘拐された月の事を上の人間は探してはくれなかった。それは、女性の月がゴールドランクに上がって来る事が許せなかったから。
俺はそんな上の連中が許せなかったが、逆らえなかった。だから、この汚れ仕事をしながらまた会える日を待ってる。ごめんな。全然知らない人の話して。
そんな人がいたんだと思って軽く流してくれたらいいよ。」
「月さんに会えるといいですね。それまでは私が助手でs…、だからね。」