「ん……」

 目を覚ます。そこはベッドの上だった。

「あれ……?」

 外は夜が明けていた。私、夜中まで起きてて、リビングでブラックコーヒーを飲んで、それで……。
 もしや、寝ている間に彼が家に、彼が来たの……?
 スマホにはLINEが一通。

【帰ったけど、寝てたから会えなかった。ごめん。】

 ぼろぼろと涙が溢れる。
 彼が忙しい中会いにきてくれたことが嬉しくて、泣いた。
 会えなかったことが悲しくて、泣いた。

「だい、すき」

 そんな言葉が、嗚咽の合間に漏れた。