ずっとあのままでいられたら

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時は遡りゆうまが出て行った約1ヶ月前へ。

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「…ゆうま、、」
「いってらっしゃい」

死にそうなか細い声。
もちろん笑顔はない。
けど、いつものように口に出したはるか。

「…うん」
「行ってくる」

バタンっ

…

「・・・ゆうま」

シーン…

ゆうまが消えた玄関の扉を見つめるはるか。

ずっと2人で生活してきた家。
1人で住むには大き過ぎる家。
生活音がなくなった家。

10分はその場から動けなかった。
扉を見つめても変化はない。

…

スタ・スタ・スタ
バサッ

「ぐすっ。。。」
「くうっ ぐっ・・・」
「うぅ……」

寝室に戻ったはるか。
自分の枕で顔を埋めても聞こえる。
我慢ができなかった。

「あぁ………ぅ」
「…ぁ…あ゛….あ゛」

いつもなら、隣で慰めてくれた。
話を聞いてくれた。
優しく抱きしめてくれた。
困った時いつも横に居てくれた。
でも、今日はいない。

1人布団の中で泣き続けた。


…


・・・スゥ

気がつけば窓の外は真っ暗。
家の電気もつけていないから暗闇の中。
いつのまにか泣き疲れで眠ってしまったのだろう。

「・・・ゆうま!」

バサッ!
飛び起き隣を見る。
寝室にあるデジタル時計の微かな木漏れ日を元に、隣を探すが誰もいない。

「・・・」

カチっ

スマホを見ると20時前。
ゆうまからの連絡はない。
ただ、けいすけからお昼にLINEが来ていた。

「・・・」
内容はまだ見ていない。

スゥ・・・
バサッ

既読はぜずにそのままスマホを閉じ布団に倒れた。

「。。。ぐすっ」
また泣きそうになるのを堪えた。
けど、けど・・・。

「ゆうまごめんなさい」

どんな話でも聞いてくれていた事。
なんでも受け入れてくれていた事。
これまで普通だと思ってやっていた事。

だからこそ、はるかからしたら急な出来事とも感じていた。
でも・・・。

「…ゆうまの事ずっと、辛くさせていたのかな。。」

ゆうまの事好きだし、信頼していたからこそ、どんな事でもオープンにしてきた。
はるかからしたら、オープンにしているからこそ疚しい(やましい)事がないというアピール。
安心させるためにしていた事、けど。

「・・・なんでこうなっちゃったのかな。。」

誰かからそれはおかしい!なんて言われたことはもちろんない。
同棲や結婚をされるカップルでそれぞれのルールなどがあると思う。
だからこそ、客観的にそのルールなどが普通なのか変なのか、気がつかないままになってしまう。

「・・・ぐすんっ….」


…


時間を見ると21時過ぎ。

パチ

真っ暗だったリビングの電気を点けた。
いつもならゆうまが晩ご飯を作っている時間。

「…」

無音の少し広い部屋があるだけ。
お腹は空かない。朝から食べていないけど、食べたくない。

「…」
パチ

お水だけ少し飲んでまた寝室に向かった。

バサンっ….

カチっ

布団に入ってスマホを見るがゆうまから連絡がない。

「…ゆうま」

バタ
スマホを手に持ったまま下ろした。

「…」

ピロンっ
スマホが鳴った。

「ゆうまっ!」

サッ
けいすけからの追加のLINEだった。

…

「ゆうま・・・会いたいよ・・・」
「側にいてほしいよ….」

けいすけのLINEは開かずに、大きすぎるダブルベッドで囁いた。


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