魔女に花を

3時半。

静かに水の流れる音だけが聞こえる。

____直哉くん。

生きているかどうかさえ分からない。魔女狩りは残酷だ。

____直哉くん。

魔女は力を使うごとに精神を削る。
漆にとって彼は、精神不安定剤。いわば心の支えだったのだ。

____直哉くん。

そんな彼がいないくなった。

____直哉くん。

漆は、かなり狼狽していた。一つ一つの動きにキレがない。
常に、彼の安全を考えてしまう。

____うちは、守られる側ではあった

____けど、魔女のうちの方が、直哉くんより強い

____うちの修行が足らんかったんや

____全部。全部全部全部全部全部全部









____……うちのせいや。

彼女は自分を責め、追い込む。
状況は悪化していくばかりだった。

「直哉、くん…っ」

目から水が溢れた。

涙?いや、違う。うちは、そんなやわな鍛え方しとらん。うちは泣いとらん。シャワーの水や。水が、目に入っただけで、そんな、そんな……。

「っ……」

溢れ出る。止まらない。嗚呼、やっぱり直哉くんがおらんとダメや。

直哉くん直哉くん直哉くん直哉くん……

心の叫び声にカギをかける。
誤って蓋が開かないように。きつく、きつく、鍵をかける。