廊下に担任の先生らしき人が立っていて、こっちをみて手招きをしている。
「初めまして!女性担任の原田と言います。よろしくね!」
「えっと、花園さやかです。よろしくお願いします」
「椿さんは中に入ってて!じゃあ花園さん。入っらまず自己紹介をしてね」
私にそう耳打ちして、原田先生は私の手を引いてクラスに入った。
「はぁーい!じゃあみんな、転入生の子が来ました、じゃあ自己紹介よろしくお願いします」
どんなことを話せばいいのかわからなかったが、ネットを参考にして考えていた自己紹介を始める。
「えっと、花園さやかっていいます。趣味は小説を書くことです。よろしくお願いします」
言い切ると、クラスから「小説かけるの?」やらなんやらと聞こえてきた。
そこまで、凄いことではないのにと思いつつなんだかんだ嬉しさを隠せない。
私の席は、奇跡的なことに椿と隣で窓側の空が綺麗に見える席だった。
これが、クラスでの生活か。なんとかやっていけそうだが、友達を作りたい。
「ねぇ、椿。ここ休憩時間とかってあるの?」
「休み時間のことかな?それならあるけど」
休憩時間を学校では休み時間って言うらしい。全てのことに興味が湧いて仕方がなかった。
「今日は、いつ帰るの?」
「今日は三時頃だよ」
現在の時刻は午前八時半。
「え、どんくらいいればいいのよ!?」
「これが普通なんだよ、さやか。授業は数学、国語、理科、社会、地理、歴史、音楽、総合、ほかにも色々あるんだ」
「今日はどれを‥‥?」
「今日は、国語、音楽、数学、理科、国語」
何故、国語が二時間も入っているのかが全く理解できなかった。一時間でまとめればいいのに。
はぁっとため息をついて、先生の話を片耳で聞き流す。
空はこんなにも綺麗なのに、現実は醜いものだ。
「私、学校苦手かも」
「まぁ、頑張ろうよ」
椿はそう流して、授業が始まった。