こじらせている、歪んでいる。
お坊ちゃまだからなのか、まともに交際したことが無いのか。
いや、私も交際経験無いけれど。
「そもそも私は高校生で12歳離れているんですよ?
あの女性が言ったように光生さんの立場ならより問題になるのはわかってますよね」
「だからこそ遊びの交際申し込みであるはずが無いだろう、当然結婚が前提だ」
胸をはって言うその言葉を聞いて自分の足がふらつく。
こんなに地味でまだ高校生の私に、何の前置きも無く結婚前提の交際を当然のように申し込んできたこの人の神経はどうなっているのか。
きっと大抵の女性は頬染めて大喜びなしがら受け入れるのだろう。
なんせこの顔面、スタイル、金に立場もある。
だが私から最初の出逢いは申し訳なかったとは言え、まぁ時々気を遣ってくれたのはわかっているとしてもこの人は無理だ。
おそらく、私を選んだのもろくでもない理由に違いない。
「念のために聞いてあげます。私のどこが良くて申し込んできたんですか?」
甘えた上目遣いとかではなく、向こうが背が高いから仕方なくそうなるだけだが、光生さんはよくぞ聞いてくれたとばかり目を輝かせて、
「日頃気を遣ってばかりだが、お前との馬鹿馬鹿しいやりとりは気分転換になる。
まだ高校生の割に頭の回転が速く観察眼もあり度胸もある。便利だ」
そう言って満遍の笑みを浮かべた。
それを見て、私の心の温度が氷点下に急降下した。



