12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



そういう風に返しながら、光生さんの声がいつも通りになっていることに一安心する。なにせ顔は斜め下から見ようにも少し前を歩かれいまいちよく見えない。

だけれど今日は完全におかしい。
仕事が忙しいだけだったのだろうか、何だかナーバスなのか心を殺しているような表情にどうしていいのかわからなくなる。


「・・・・・・子供は両親がいれば良いってもんじゃない」


ぽつりとこぼれた言葉に困惑した。


「何か、あったんですか」


光生さんはこちらを見ること無く、段々暗くなってきた庭園をゆっくりと歩き、橋のところで立ち止まると遠くに視線を向けている。


「親の会社にいるわけで、努力もせず親の七光りで本社に来たと思われるのは無理も無い。
女達が寄ってくれば、金があるからだと周囲から言われるし、そうだろう。
女に不自由していないくせに結婚もせず婚約者もいないのは、人格に問題があるからだと勝手なことを言われる」

「最後に関しては私も賛同します」


片手を上げると思い切り睨まれたが本音だから仕方が無い。