12上の御曹司と女子高生は愛を育めない




家に戻り着替えるときにポケットから名刺を出して見てみれば、そこには企業名が数行あって、部署、肩書きの下に名前がある。

『三ツ沢 光生』

名刺の後ろは英語で全て書かれていて、名前が『みつさわ あきお』と読むらしい。

携帯電話の番号、メアドもしっかり書いてあり、メアドが二種類あるがドメイン名をみて、おそらく上が会社用、下がそれ以外と理解してそちらに今回のお詫びと住所などを送った。

部屋のドアがノックも無く開き、妹が入ってくる。
私には下に二人妹弟がいて、この部屋は妹と二人で使っているのでプライバシーなどというものはない。


「ご飯食べないのかってお母さんうるさいよ」

「行く」


私を呼びに来た、私と違って遙に可愛く人気のある妹に返事をした。
それに比べ私は眼鏡に長い髪を後ろで縛った地味な姿。
クラスでは委員長だのお母さんだの言われているくらいで、何の魅力も無い女子高生。
そんな私に、その後想像もしていないことが降りかかるなんて思いもしなかった。