「・・・・・・そっちはどうだ」
興味なさげにこちらも見ず話題を振ってきた。
本気で聞きたいのか、自分の事を話しすぎたと思っているのか判断に悩む。
「光生さんとのやりとりが減って平穏に暮らせました」
「そろそろ夏休みも近いんだろ、どこに行きたい」
これまた話題が唐突に飛んだ。この質問にどうするべきか。
だって私は今日で終わらせたい。
だからこれから先は無いのに。
「ここの庭園凄いですね、都心なのに森みたいで」
わざと話題を変えて窓の外に視線を向ける。
答えろと言われるのかと思えば素直に私の言葉に答えが返ってきた。
「結婚式を外で挙げたりも出来るし、お見合いの場所としてもよく使われる。
いわゆる、その後少し散歩でもしながらってやつだ」
「なるほど、経験者の言葉はリアリティが違う」
「俺はここは使ってない」
「使用する場合は自分の会社の系列ホテルとかですか?その方が安全ですよね」
ムッとしている人など放置だ。
三ツ沢グループはホテル部門もある。
オフィスビルの上にホテルを作ったりしているのは流石に調べた。
でも今回自分のテリトリーのホテルでは無くここを選んだのは、本当に私が気に入ると思ってからなのだろうか。



