「ずっと仕事しっぱなしだったんだ、気分転換がしたい」
「それはわかりますが、睡眠を取る方が優先では?あまり寝てないんでしょ?」
「元々睡眠時間は短いから問題ない」
「睡眠時間が少ない人って早く老化するんですよね」
ヒクッ、と口の端が引きつって機嫌を悪くしたようだが、出来れば帰って寝て欲しい。
それくらい痩せたと思うし、あまり顔色も良くない。
どうしよう、さっきまで今日を最後にと決めていたのに、今日は言わずにとりあえず帰宅させるべきではないだろうか。
「とりあえず今日は帰って寝て下さい。ちょっと心配なレベルです」
茶化すこと無く真面目に言う。
光生さんは表情無く私の顔を見ていたが、何だかぼんやりしているようみにえて思わず光生さんのおでこに手を当てた。
「熱、あるんじゃないですか?春日部さん呼んで帰りましょう」
私が立ち上がろうとしたら名前を呼ばれ、座れと手で合図され仕方なく座る。
おでこに手を当てたせいで髪型が崩れたのが嫌なのか、前髪を弄りだしながら私を見た。
「ここのアフタヌーンティーは有名らしいぞ」
その言葉に目をまたたかせた。
今日は鉄板焼きだの肉だの言っていなかったっけ?
疲れて甘い物が食べたくなったのだろうか。
「甘い物が食べたいなんてよほど疲れているじゃ無いですか。帰りますよ」
「若い女に人気で予約もなかなか取れないんだぞ」
変な言葉に違和感を抱く。
もしかして。



