12上の御曹司と女子高生は愛を育めない

「心を許しているとかでは無く単に話の流れでそうなっただけです。
光生さんの渡してきたスマホを拒否したんですが、うちは複雑な状況だから持っていろという流れで、仕方なく家の事情を話したんだと思いますよ。
まさかのお家騒動に巻き込まれてしまった上、光生さんの身勝手さには流石に疲れてしまいました。
なので今日を最後にします」


私としてはもう迷惑で苦しくて光生さんのことは考えたくないだけ。
ちょっと揺らいだりもしたのは否定出来ないし、きっと悪い人じゃ無い。

色々な事があって歪んだ大人になったとは思うけれど、それをたまたま出くわした単なる高校生の私が付き合う必要がどこにあるのか。


「川井様に対する光生様の言動や行動は、長年光生様の側に勤めていて初めてのものばかりなんです」

「それは相手が高校生だからだと思います」


車が停まったのはどこかのホテルの車止め。
今日はここでいじくり回されるのかとうんざりしてシートベルトを外せば、春日部さんがドアを開けてくれる。


「光生様はロビーでお待ちです。
どうか最後、光生様にもう一度向き合って頂ければと」


そう言って深々と頭を下げられ私は驚いてしまい何と言葉を返せば良いか悩んでいたら春日部さんは笑みを浮かべ声をかけた。