12上の御曹司と女子高生は愛を育めない




一方的に約束された日曜日、先日もらったコンタクトレンズにはせず、相変わらずの眼鏡、髪は一応おろして、服装は膝丈のスカートにカーディガン。
大きめのトートバッグを肩にかけて家の前に出れば既に黒塗りの車が停まっていて、春日部さんがすぐに出てきた。


「こんにちは、川井様。どうぞ」

「こんにちは」


春日部さんの温和な笑顔に引きずられそうになったが、今日はこれで光生さんとの関係を最後にすると決めていた。
おそらく帰りにこの車に乗ることは無いだろう。
ぼんやり外を眺めていると、名前を呼ばれていることにようやく気付いて慌てて返事をした。


「光生様の事でお悩みなのですね」

「はい」


私は隠しもせずに答えた。だって今日で終えることだ。


「光生様が今日川井様とお会いできることを楽しみにしておられました」


勘づかれたのだろうか、春日部さんのフォローに苦笑いする。


「高校生相手なら気を遣わなくて済みますからね」


春日部さんは私の返事に少し間を置いた後、


「光生様は一般的な学生生活を送られておりません。
ですので学生である川井様がどういったことをすれば喜ぶのか、あまり想像が付かず悩まれていました」


ん?とその内容に違和感を抱いた。
お坊ちゃまなのだからそりゃファストフード店でたむろったりはしないだろうし、そもそも性別も年齢差もある、わからなくて当然だ