「・・・・・・わかった。話すけどここだけの秘密にしておいてよ。
何というか、とある私の勘違いから始まったんだけど」


私は渋々自殺を止めるつもりだった話から、交際相手の芝居に付き合わされたこと、そして今オモチャにされていることを話した。
もちろん名前は明かしていないし複雑な家庭環境は伝えずに話していたが、桃は最初こそ驚いた顔をしたけれど、段々ニヤニヤと面白がって聞いているのがわかり意味は無かったように思えた。


「へぇ、なるほどね。でも12歳離れている割にはイチャイチャしてる普通のカップルに見えたけど」

「いや、イチャイチャはしてない。苛ついて揉めていただけ」


案の定面白がっているので仕方なく訂正する。


「でもそんな大人の御曹司が、本気で高校生を恋人相手にしたいとはちょっと考えにくいわね」


桃の冷静な指摘に私も頷く。


「私のように誰か見かけるかも知れない場所だったわけだし、わざとやってるのかしら」

「わざと?」

「まぁ、そういうのも計算に入れて二人でデートとかやってるってこと」

「計算かぁ」


一人で悶々とするより、こうやって話した方が冷静に状況を見られている気がする。

どう考えても光生さんは私を利用し、その対価というかお礼として食事や先日のテーマパークに連れ出した、と考えるのが妥当だろう。
お家騒動は実際あるわけで、私が下手のことを言わないように監視しておきたいからスマホやら定期的な報告を求めている、こう考える方が納得出来る。