「光生さんって、仕事が好きなんですか?」
疑問をそのまま口に出すと、光生さんはきょとんとして次に難しい表情に変わる。
「好きか嫌いか、で言えば別に好きじゃ無いだろうな。
だが、相手を屈服させる方法として仕事は非常に楽しい」
斜め上の発言が楽しそうに返ってきて、私の頬が引きつった。
だけれど、そういう考え方はアリだと思える。むしろ彼らしい。
「なるほど、光生さんらしい答えで。
でも仕事の中に何かしら楽しみを見つけるってのは凄いなって思います。
結局はどれも真面目にやってるんじゃないですか、立場に甘んじずに突き進んでいるのは格好いいと思いますよ」
私が笑顔を向けると、光生さんは目を丸くして何故か両手で顔を覆った。
小さく、クソッという言葉が漏れ聞こえてムッとする。
「何ですか、クソって」
「げ、聞こえたのか」
「聞こえましたよ、しっかりと。
はいはい、お坊ちゃまは次に何乗りたいんですか~」
「その気持ち悪い声止めろ」
わざと赤ん坊をあやすような声を出したら思い切り不愉快そうな顔をされ、お互い馬鹿みたいな言い合いを続けながら次のアトラクションへ向かった。



