「楽に過ごせないが良いのか?」
そこでようやく思い出した、光生さんが気分転換に付き合ってくれと言ったんだった。
それを私が身勝手に変えてしまうのは違う。
優先すべきは彼の意思だというのに。
「すみません。それだと光生さんの気分転換にならないですね。
そちらに任せます。光生さんが楽しめる方法にして下さい」
光生さんは私の言葉に少し面食らった顔をしたが、はは、と軽く笑う。
「俺はこういう場所は初めてなんだ。どう回るのかもわからん。
この後は紫央里に頼んでも構わないか?」
あぁそういう事なんだ。
初めての場所は私もだけれど、あまり男性は率先して行きたがる場所でも無いからアテンダントのスタッフがいる方が効率的で良いという事だったのだろう。
それなら今後は私になりに対応すれば良いのかも知れない。
「私もここは初めてなのでわからないですが園内マップもありますし、そういうのを見ながら決めるのも楽しいと思います。それでよければ」
笑顔で返すと光生さんも口元を緩め、アテンダントのスタッフにこの後は二人で回るからと帰ってもらうことになった。
確かに裏から入る特別感も捨てがたいけれど、長い時間並んだりするのも思い出の一つになる。
そういうのをお坊ちゃまは嫌いなのかと思ったら、予想外に私の提案が採用された。



