12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「思い込みとは言え私が引き起こした事ですのできちんと弁償します。
ですがまだ高二でして、出来れば分割での支払いにさせてはもらえないでしょうか」


私はしっかりと男の目を見ていった。
男はじっと私の目を見ていて、何か試されている気になるが絶対に目をそらさない。
動物の世界で目をそらした方が負けだとテレビで言っていたし。

男はため息をつくと、肩を上下させた。


「今回は勘違いだったが、もし本当にそうだったとして何故助ける?」


唐突な、それも不可解な質問に間の抜けた顔になった。
それを見たせいか、男の眉間に皺が寄った。


「いや、人として当然の行動かと」

「放っておけば良いだろう」

「無理ですよ、見殺しにしたなんて寝覚めが悪いですし」

「寝覚めが悪くなるのか。まぁ子供だから仕方が無いか。
だがな、本当に自殺するヤツならお前を道連れにすることだってあり得る。
そこに頭は回らなかったのか?」


会話する度イライラしてくるな、と思っていたら、最後の言葉は刺さった。
確かにこの人は私より遙にでかいが、暴れているとき重さで引っ張られて一緒に落下する可能性は高い。
そこまで頭は回っていなかった。

正論だ。
だけれどこの男へのイライラしている気持ちが勝って、嫌みを言いたくて仕方が無い。