*********
日曜日。
親には先日渡されたものを返却してくると言ったのだが、やはりそわそわと私の様子をうかがっている。
思い切り睨むとそれ以上突っ込まないので普段着のままスマホをポケットに入れ、例の箱を持ち家を出た。
マンションの前にはいつもの黒塗りの車では無く、メタリックな濃いグレーの車が停まっていた。
運転席から降りてきてのはいつもの運転手さんでは無く、サングラスをかけた光生さん本人。
カジュアルなジャケットにパンツ姿だが、異様にお洒落だ。それにしても背が高いし足長いな。
ぽかんと立っていると助手席のドアを開けられる。
「ほら」
「いや、今日はこの箱を返そうと思っただけで」
私はドアを開けている光生さんを無視して箱を突き出した。
「だからそんな服装なのか」
安いTシャツにジーパン、髪はまぁいつも通り一つにしているだけだけれど。眼鏡はもちろん顔の一部なので当然している。
光生さんが箱を取り上げたのでさて帰ろうと後ろを向いた途端に腕を掴まれ車に押し込められた。
「誘拐!!」
「シートベルトしろ、もしも事故ったときお前が死ぬぞ」
運転席に戻っていた光生さんがシートベルトを着けている。
これは不味いとドアを開けようにも何故か開かない。



