だが翌日。
学校から帰ってくると、母親がニコニコと小さな小包を差し出した。
「三ツ沢さんの部下の方がわざわざ届けに来たの。紫央里に渡して欲しいって」
A4くらいの箱は何故か紫色。
もう縁は切れたと思ったのに翌日に送られてくるなんて、ビリビリに破けたあのネクタイでも入っているのじゃ無いかと怖くなる。
テープで留められた箱を慎重に開けると、そこには緩衝材に包まれた最新鋭のスマートフォンの入った箱と白い封筒。
封筒の中にはパソコンで打って印刷した紙があり、このスマートフォンは光生さんとの専用で、日曜日の予定は空けておけと書いてある。最後には光生さんの直筆らしき名前がペンで書いてあった。うわ、文字綺麗だな。
だが得体の知れない電子機器、壊したとか言われるのも嫌だし障りたくない。
「これ、電源入れないで日曜日に返却しよう」
もう考えることも面倒になり、私はそれを部屋の隅に追いやった。



