「わかった」
光生さんの言葉に全身から力が抜けた。
ようやく三十路お坊ちゃまの気まぐれな遊びから解放される!
「とりあえず美味いなら食っておけ」
この人、食べ物には礼を尽くすのかな、人には礼を尽くさないのに。
まぁ食べ物を粗末にしないのは良いことだ。
私は解放される喜びから食事を再開しあの夜光生さんがあの見晴台に行ったわけを聞いてみれば、案の定個人的にあの再開発地域を視察していただけだったとわかった。
その続きなのか仕事の話をしてくれ、以前は子会社である三ツ沢建物の都市開発をする部署にいたらしく今の親会社の部署に異動する最後の仕事があの場所の開発で、近くに行けば関係者に見つかるからと見晴台から時々進行状況を確認していたらしい。
あの案件をぶんどってきたときは本当に最高だった、その後どう発展していくのかとても楽しみだと話す光生さんはとても楽しげだった。
そういう立派な話しを聞くと、きちんと現場の関係者に配慮できるのに、何故目の前の女子高生には配慮できないのだろうかと謎になる。
仕事と無関係な人間にはどうでもいいのかもな、と思うとまた苛立ちが出てきたけれど楽しそうに仕事の話をする光生さんを見て、まぁ仕方が無いかと思ってしまった。



