「さっきから人の意見は無視して自分の事ばかり。
何度も言ってますが私は貴方の暇つぶしのためのオモチャではありません。
自分の意思もあるのに、つい先日知ってそちらの家の事情に巻き込まれて芝居までして、今やってることはまだ私に迷惑をかける行為なんですよ。
これ以上身勝手に私を動かそうとするのなら、ご自宅に行って交際は嘘だと言ってきますけど」
目が据わってきた。
もう我慢の限界だ。
前回少しはいい人なのかもと思った自分を殴りたい。
単に金持ちが暇つぶしに子供で遊んでいるだけのことで非常にたちが悪い。
もしこれが通じないのなら、根本的に光生さんは駄目な人間だ。
そんな光生さんは不思議そうに私を見ていて、ふむ、と顎に手を当てた。
「嫌だったのか」
「相手の雰囲気だけで無く言語も読み取れないとは。仕事出来てます?」
親の七光りで生きているからなのでしょうね、という言葉はあえて踏みとどまった。
なんとなくあの家はおかしいとわかったし、光生さんが仕事に打ち込みたいという言葉に嘘は感じなかったから。
だが私に対するこの扱いはおかしい。怒ってしかるべき行為ばかり。
もしかしたら注意されたことすら無いのだろうか。それはあり得る。
仕事出来てます?発言に苛つくかと思いきや、またじっと見ているので何を考えているのか怖い。



