12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「光生様は紫央里様とお話がしたいようなのです。どうか直接お話しして頂けませんか?
私からの伝言では納得されずに何度もこちらに伺うだけになりますので」


優しく言っているけれど最後の脅迫だよね?!
だけど毎回来られても困る。
直接顔を合わせて断らないと駄目だなんて納得がいかないが、どちらがマシかと言えば直接会うしか無い。
私は仕方なく付き合うことを了承した。


また知らない店に連行され、そこで全身いじくり回された後レストランに案内された。
ビルの高層階のフレンチレストラン、高そうなシャンデリアが真ん中にあり、間接照明が店内を柔らかなオレンジ色に包んでいる。

大きな窓に面した席につれてこらてたのに向かいの椅子は空。
呼んでおいて待たせるのか。腹立つな。
首を長くして待ってたんじゃ無いの?もしかしてその首が飛んだのかしら。

仕方なくスマホを弄っていると人の気配。
スタッフが椅子を引き、慣れた様子で席に座ったのはあのお坊ちゃまだった。
整えられたヘアスタイル、質の良さそうなスーツ、相変わらず憎たらしいほど整った顔。

周囲の客が男女関係無く光生さんを見ている。女性達の騒ぐ声もしっかり聞こえるほど。
ですがこの人、女子高生脅迫して交際相手と言う人ですよ、と騒いでいる女性陣に教えて差し上げたい。