12上の御曹司と女子高生は愛を育めない



「気分転換、ねぇ」

「友達と遊ぶとか、ヒトカラで発散するとか」

「ガキじゃあるまいし。
第一ヒトカラなんてボッチで歌うんだろ?そんな事してんのか、寂しいヤツだ」


目一杯カチン、ときた。友達とは行かないヒトカラの良さを知らんとは。
それに友達少なそうだもんな、光生さん。
私の哀れむような目に気付いたのか、


「勘違いするなよ、友人くらいいるからな」

「そうでしたか。いなさそうなのでこの私が愚痴くらい聞いてあげようかと思ったんですが」


顔を上げずにお刺身を食べているけれど、どれもぷりぷりしていて甘い。鮮度が良いからきっとこれだけ甘いのだろう。

何も反撃が来ないので顔を上げると、光生さんは行儀悪くテーブルに片肘を突きこちらを見ていて口の端を上げた。


「なんだ、俺と話をしていたいのならそう言えば良いだろうに」

「脳内どうなってるんですか?」

「だが第一、子供に話してどうなることでもない」


私はそれを聞き、箸を箸置きに置いて背筋を伸ばす。
行儀悪くテーブルに肘を突いたままの光生さんが不思議そうにこちらを見ている。


「そうですね、たかが高校生の私には大人の仕事に対してアドバイスなんて出来ないでしょうしする気も無いです。
ですが私は光生さんとは利害関係が無くなりました。
だからこそ話す相手には良いんですよ、それが高校生だったとしても。

光生さん、さっきまでの話しを聞いていると今回の件は例外で、基本問題は自分で出来るだけ解決したい性格なんじゃないですか?特に仕事が絡めば。

こういうのは誰かに話すだけで気分転換になったり、頭が整理される、何かに気づく事だってあるんです。

利害関係無く安心して気にせずに話せる人がいる、そういうのは人として強みだと思いますが」


淡々と話していると、光生さんは目を丸くしてこちらを見ている。
面白いな、自分で目を丸くして人を見ている自覚あるんだろうか。
結構面白い顔をするのに、自分は顔が良い、表情も崩れず冷静とか思っていそう。