12上の御曹司と女子高生は愛を育めない


「どうしても聞いて欲しいなら一つだけありますよ」

「何で上から目線なんだ」

「どうして高校生の私を交際相手なんて嘘をついてまで、結婚する時間延ばしてるんですか?
もしかして不倫でもしてて、相手の女性が離婚するのを待ってるんですか?」

「勝手に最低な想像するな、俺の名誉に関わる」

「いや、高校生を無理矢理芝居に付き合わせておいて今更何言うんですか」


私の反撃に彼は非常に不満げな顔をした。
だって何も間違ったことは言っていないし、実は結婚している相手を思っていて時間を稼ぎたいのならつじつまが合う。


彼は長いため息をつき今度は乱暴に冷酒を杯に注いで一気に飲み干すと、テーブルに音を立ててグラスを置くと項垂れた。


「・・・・・・めんどくさ」

「は?」


項垂れたまま呟かれた低い声が聞き取れ無い。

光生さんは顔を上げると、俯いた拍子に崩れた前髪をそのまま手で掻き上げ、ぐしゃぐしゃと整えた髪を崩した。


「めんどいんだよ、見合い」


今度は両手を後ろについて、のけぞるように上を向きため息をついている。


「こっちは仕事で始終愛想笑いして、たまの休みは親の命令で香水や化粧のきつい女のエスコートをしなきゃならん。
そんな無駄な女に時間を潰されるくらいなら仕事をして成果を上げる方が良い。
俺にはやりたいことがあるし、その為に作った部署で仕事しているのは楽しいしな」

「いや、そこは身体を休めるとか気分転換をする、なのでは?」


結構仕事人間なんだなと思いつつ片手を出して突っ込むと、ぐい、と光生さんは身体を起こした。